なぜ呼吸が浅くなるのか ― 緊張と呼吸の深い関係 ―

「ちゃんと息はしているはずなのに、どこか苦しい」
「深呼吸をしようとすると、うまく吸えない」
「ため息ばかり出る」

そんな感覚、ありませんか?

呼吸が浅いと聞くと
「肺活量が少ないのかな」
「運動不足だから?」
と思われがちですが、実はそうではありません。

多くの場合、呼吸の浅さは“緊張のサイン”です。


息は止まっていない。でも、深くもない

私たちは無意識のうちに、1日に何万回も呼吸をしています。
だから「呼吸ができていない」わけではありません。

ただ、緊張が続いていると
呼吸は自然と

  • 速く

  • 浅く

  • 胸だけで
    行われるようになります。

このとき体の中では、
空気は入っているのに、満たされていない
という状態が起きています。


緊張すると、呼吸は「生き延びる呼吸」になる

脳が緊張やストレスを感じると、
自律神経は交感神経優位になります。

これは、
「すぐ動けるように」
「身を守れるように」
するための反応。

すると体は、

  • 胸を固める

  • 肩を上げる

  • お腹の動きを止める

という状態になります。

このときの呼吸は、
リラックスのためではなく
“身を守るための呼吸”

だから、
吸えているのに
安心感が生まれないのです。


呼吸が浅い人の体で起きていること

緊張が続くと、体の中ではこんなことが起きています。

  • 肋骨が広がりにくい

  • 横隔膜が下がりにくい

  • お腹まで呼吸が届かない

結果、
胸の上の方だけが動き、
呼吸は常に途中で止まったような感覚になります。

これが
「息が入っているのに、満たされない」正体です。


「深呼吸しよう」とすると、苦しくなる理由

よくあるのが、
「もっと吸わなきゃ」
「深くしなきゃ」
とがんばってしまうこと。

でも、体が緊張モードのままだと
無理に吸おうとするほど
首・肩・胸に力が入ってしまいます。

すると脳は
「やっぱりまだ危険かも」
と判断し、緊張を強めてしまうのです。

呼吸は、
努力で深くするものではありません。


呼吸を変える前に、必要なこと

大切なのは、順番です。

① まず緊張に気づく
② 体の感覚に戻る
③ 結果として、呼吸が深まる

呼吸は
「整った体の結果」として
自然に変わっていきます。


今の呼吸に戻る、1分ワーク

今、ここでできます。

  1. 胸かお腹に、そっと手を当てる

  2. 吸おうとしなくていい

  3. 「今、どこが動いているかな」と感じる

それだけで十分です。

変えようとしなくても、
気づくだけで
呼吸は少しずつ整い始めます。


呼吸が浅いのは、
長い間がんばってきた体が
今もあなたを守ろうとしている証。

安心できる環境と、
やさしい呼吸、
そして力を抜いて動ける時間。

それがそろったとき、
呼吸は自然と
深さを取り戻していきます。

次回予告

「緊張がほどけると、なぜ眠りが深くなるのか」

お楽しみに(^^)/

無意識に力が抜けない理由 ― 自律神経と「緊張の正体」―

「力を抜いてくださいね」
そう言われても、
どう抜けばいいのかわからない

呼吸をしても
ストレッチをしても
一瞬ゆるんだ気がして、また元に戻る。

実はそれ、
リラックスが下手なわけではありません。

そこには、自律神経の働きが深く関係しています。


体が勝手に力んでしまうのは「自動運転」のせい

私たちの体は、常に自律神経によって調整されています。

  • 交感神経:活動・緊張・がんばる

  • 副交感神経:休息・回復・ゆるむ

問題は、
がんばる状態が長く続きすぎること

仕事、家事、人間関係、情報過多。
「気を張る」時間が積み重なると、
交感神経がオンのまま固定されてしまいます。

すると体は、
「緊張しているのが普通」
という状態を学習してしまうのです。


無意識の緊張は、こんな形で現れます

自覚がなくても、体は正直です。

✔ 何もしていないのに肩が上がっている
✔ 歯を食いしばっている
✔ お腹に力が入っている
✔ 呼吸が浅く、止まりやすい
✔ 横になっても、完全に休めない

これらはすべて、
自律神経が「守りモード」から抜けられていないサイン


なぜ「安心しているはず」なのに、緊張が抜けないのか

頭では
「もう大丈夫」
「リラックスしよう」
と思っていても、

自律神経は
過去の経験や習慣をもとに反応します。

・忙しさが続いた
・我慢する時間が長かった
・常に先回りして考えてきた

こうした積み重ねがあると、
体は「まだ油断しない方がいい」と判断します。

つまり、
緊張は性格ではなく、環境への適応なのです。


緊張が抜けない人ほど、実は感受性が高い

無意識に力が抜けない方は、

  • 周りに気を配れる

  • 空気を読む

  • 責任感が強い

そんな資質を持っていることが多いもの。

体は、その優しさや真面目さを
緊張という形で引き受けてきただけなのです。


力を抜こうとしなくていい理由

ここで大切なのは、
「力を抜こう」としないこと。

なぜなら、
抜こうとするほど
脳は「何かしなきゃ」と緊張を強めてしまうから。

必要なのは、
副交感神経が自然に働ける環境をつくること。


今日からできる|緊張をほどく小さなスイッチ

とても簡単な方法です。

  1. 背中かお腹に手を当てる

  2. 吸うよりも「吐く」を意識

  3. 吐くたびに、体の重さを感じる

ポイントは、
「変えようとしない」こと。

ただ感じているだけで、
自律神経は少しずつ切り替わっていきます。


まとめ|緊張は、ほどくタイミングを待っている

無意識の緊張は、
悪者ではありません。

あなたを守るために
長い間、働いてきた反応です。

安心できる空間と、
ゆっくりした呼吸、
やさしい動き。

それらがそろったとき、
体は自分から緊張を手放していきます。

・ひとりでホットする時間を持つ
・ゆっくり湯船につかる
・1日の終わり ベッドに横たわった時
深呼吸して眠りにつく

できることから やってみましょう!

よい一日を🍀

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