デフォルトモードネットワーク 第2回です
スマホを見ているだけなのに、なぜ脳は休まらないのか
―― 情報過多が脳を疲れさせる本当の理由 ――
「ちょっと休憩のつもりでスマホを見ただけなのに、
なぜか前より疲れている」
そんな経験はありませんか?
体は動かしていない。
でも、脳はずっと忙しいまま。
それが、現代人の“見えない脳疲労”です。
■ スマホ時間、脳の中では何が起きているのか
スマホを見ている時、脳は休んでいるように感じます。
ですが実際には、脳の中では次々と処理が行われています。
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情報を読み取る
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必要・不要を判断する
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比較する
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反応する
-
感情が動く
これらはすべて、
集中・判断・注意をつかさどる脳のネットワークを使います。
つまりスマホは、
脳を「オフ」にする道具ではなく、
常にオンにし続ける装置なのです。
■ 休むはずの時間に、DMNが働けなくなる
第1回でお伝えした
デフォルトモードネットワーク(DMN) は、
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外からの刺激が少ない時
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評価や判断をしない時
に働きやすい脳の回路です。
ところがスマホを見ている間、
脳はずっと外部刺激にさらされ続けます。
その結果、
本来なら回復や整理を担うはずのDMNが
なかなか働けない状態になってしまいます。
「休んでいるつもりなのに回復しない」
その正体が、ここにあります。
■ スマホの長時間使用と脳の変化について
近年の研究では、
スマホやデジタル機器の長時間使用と、
脳の働きの変化についても注目されています。
いくつかの研究では、
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注意力や集中力に関わる前頭前野
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感情調整や記憶に関係する部位
において、
使い方次第で働きが低下する可能性が示唆されています。
また、
「集中が続かない」
「一つのことに没頭しにくい」
といった感覚も、
スマホによる頻繁な注意の切り替えと関係している
と考えられています。
大切なのは、
「スマホが悪い」という話ではありません。
脳が回復する時間が奪われている
という点です。
■ 情報が多すぎると、脳は疲れていく
脳は本来、
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入ってきた情報を整理し
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いらないものを手放し
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必要なものだけを残す
という作業を、
静かな時間の中で行います。
でもスマホを見続けていると、
その整理が追いつきません。
結果として、
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頭がぼんやりする
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考えがまとまらない
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小さなことでイライラする
といった状態が起こりやすくなります。
これは意志の弱さではなく、
脳の疲労サインです。
■ スマホをやめる必要はありません
ここで誤解してほしくないのは、
「スマホを使うな」という話ではないことです。
現代社会で、
スマホは欠かせない道具です。
大切なのは、
脳がオフになる時間を、別につくること。
・スマホから目を離す
・評価も判断もしない
・何かを達成しようとしない
そんな時間を、
意図的に脳に与えることが必要です。
■ 脳をオフにする、シンプルな入り口
その入り口としておすすめなのが、
呼吸や体の感覚に意識を向ける時間です。
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呼吸の出入りを感じる
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体の重さや温かさを感じる
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うまくやろうとしない
これだけで、
脳は少しずつ「オン」から「オフ」へ切り替わっていきます。
■ まとめ
スマホは便利です。
でも、脳が回復するための時間まで
奪ってしまうことがあります。
脳は、
何もしない時間の中でこそ整います。
次回は、
「ぼーっとすること」がなぜ今、世界で注目されているのか
TOKYOぼーっとする大会を例に、
脳と心の回復についてお話しします。

